ぱとか

あたしはパトカーを運転したことがある。

実は昔、ちょっとした悪さをしてお縄になり、パトカーに乗せられて連行されて。。。

などど書くと、、誤解されかねないので、正確に書くが、普通にパトカーを運転したことがある。現役ばりばりのパンダトレノならぬ、ダッシュボードに無線機のぶら下がったやつで、パンダ色のスカイラインだったと思う。

おいさんの自慢話の中のほんのひとつではあるが?、、犯罪、もしくは、パトカーの修理をやっている修理屋さんでもなけりゃ、めったに機会は無いと思うし警察の人に頼んだって運転はさせてはくれない。

なんで、こんなことを思い出したかというと、TV の三面記事で、どっかで鉢巻をしたおいさんがエンジンをかけっぱなしにして郵便局前に駐めてあったパトカーを運転して逃げたという珍事件があったと、騒いでいたからだ。おばかな鉢巻おいさんもおったもんや。

あたしの場合のチン事件は、こうだ。

昔、昔のその昔、あたしが働き始めて間もない小僧の頃、とある、由○院の狭霧○という小高い丘で生活していたときのこと。ええと、生活というのはうそだけど、週末又は休みの日で雨さえ振らなければよほどのことが無い限りほとんどこの丘か、鶴○岳かに入りびたりで、ハンググライダーでお空を飛んでいた時期である。サングラスかけている目の付近以外の顔の皮が紫外線で何回もむけて、まだらに焼けた山男のような状態になっていた時期のこと。

グライダーは車に積んでこの丘に来るのだけど、飛んだ後のランディングは違う場所なので飛ばない友人なりに拾ってもらうか、一緒に飛ぶ友人と組んで、どちらかの一台を降りる場所に前もって運んでおく必要がある。でこの時は、友人の車を湯○院の町の中に有る田んぼのふちに先に置きに行き、私の車にグライダーを積んで、このテイクオフポイントに来ていた。

で、この時、雨上がりの夕方のアーベントで一時間くらい倉木山の上空、由○院盆地の上空付近で心地よく遊んで、友人ともども相次いで田んぼに降りた。グライダーを片付けているとすぐに薄暗くなってしまい、急いでグライダーを友人の車の上に積み、友人の車で狭霧○へ自分の車を取りに戻った。

すでにくらくなってしまい、あわてて自分のグライダーを自分の車に積み替えた。友人は用事が有るとか言って、そそくさと帰ってしまった。あたしは乗っけたグライダ−をキャリアに固定し、ハーネス等の機材を車のトランクに放り込んだ。運転席にもぐりこみ、エンジンをかけようとした時、後ろに車のライトがうつり、なにやら車の気配。あいつわすれもんかな、、とか思って振り向くと、なんとパトカーがあたしの車の横に並んだ。えっ、、なにかあったんかな、、とか、思いつつ、窓をごきごきと明けると、警察の人が、

ケ 『ハンググライダーの方ですか、おそいですね、大丈夫ですか?』

あたし『はい、大丈夫です、今から帰ります』

ケ『はい、気をつけてね』

な、なんだ、ただのパトロールや、とエンジンをかけた。パトカーも反転すべく、バックして、方向転換しようとしている。で、小生、彼がここから出ないと車が動かせないので、じっと待っていると、なにやら、ぶんぶん音がしてるけど、パトカーが動いている気配が無い。

ン?どしたん、と、、良く見ると、バックした時どうも泥んこの地面でスタックしてしまい、動けなくなってしまっているようで、警官の方も困り顔で、うんうん、言っている。

あちゃ、、、こりゃ困ったねえ、と思い、手伝いに出る。後ろからパトカーを押すが、どうも運転があまりうまくない(失礼!)、スリップばかりで車はどんどん埋まりこむ。ううん、このままじゃだめやと思い、思い切って、

あたし『あたしが運転しましょう、おまわりさん、後ろを押してください』

ケ『ああ、じゃ、、そうしますか、それでは、押しますよ、せえのおお』

初めてのパトカーの運転、わくわくで乗り込んだ運転席は汚かった。

無線を持って、『はい、こちら七曲書、、、』なぞと、いう冗談はさすがに出ない。

ギアをサードにいれて、サイドブレーキをちょんちょんと引きながら、ノンスリップの状態を作って、合図した、

あたし『いいですよ、自分が、はい、、といったら、押してくださいっ』

で、、二、三回、はい、よいしょ、はい、よいしょで + 半クラで、なんとかうまく車が
動き、安全な場所へ動かすことができた。

ケ『ああ、よかった、出れた出れた、あんたうまいなあ』
とお褒めの言葉を頂き、事なきを得た。パトカーぶつけんでよかった。

これがばれるとその警察官の人はきっと怒られるやろな、、と思い、今まであまり人に言ってなかったけど、もう時効やからいいよね。。

なんでか、警察官の人は一人やったけど、後ろの座席にみかんが積んじょったような。。

湯○院の夜景が妙にきれいで、飛んだ疲れと、パトカーを運転した興奮とが収まらなかったが、いつものようにそのまま下ん湯でお湯に浸かり、心地よく家に帰った。

  • 警察官もみかんを食べる
  • 興奮はお湯に浸かるとおちつく
  • パトカーの後部座席に座らされ違反切符を切られたことは3回くらいはある
  • でもまだ助手席の搭乗経験はない (無いほうがいいやろな。。。)

なんか、懐かしい、いい思いでやな。。。