ぜったい

世の中に絶対と言う言葉は無い。どんなに機械化が進もうと、どんなに科学が進歩してコンピュータ化されようとも 100 % そうなるという保証なんか無い。

某友人、今だに PC に取り残された人。名前を言うとはばかられるが、Nさん、生粋の大分県人、松岡出身とでもしておこう。

やっとワードを打てるようになった彼は、あるとき大騒ぎで、ITC(information technology center) の某若手を電話で呼びつけ、怒鳴りつけた。最近のワープロは漢字変換もうまく出来んのかとまくし立てた。

"ソフトにバグでんあるんやねえか?"ソフトという言葉もバグという言葉も彼の口から出ると不思議な世界に迷い込んだような感覚に陥る。彼にとってはソフトもバグも、『農協の言うとおりに野菜を作ったのに、虫がついてだめになったきゅうり』と言った方が似合うし、key board をたたくより、耕運機のハンドルをこねくり回している方が良く似合っている。

【ちょっと、打ってみていただけませんか?】

"ほら、な、漢字に変わらんやろーが?"

この頃になると、人気者の彼の周りには、PC、ソフトに詳しい猛者たちが10人くらいは集まっていた。

【??なんて打ちたいんですか?】

"まだ気がつかんのか、絶対っちいう漢字にならんやろうが!"

【・・・・・・・ N さん、なんぼなんでも大分方言の変換は無理です!
じぇったいっち、、そんな、、絶対無理やわ】

"・・・・・・・・"

そろそろ方言翻訳機もつくるべきある。

松岡では、ぜったいはじえったい、っち言う。

私の愛すべき友人、大分方言も彼もなかなか奥が深い。