ふほう

追悼

俺はとある高校の弱小サッカ―部の部員だった。汗みどろになって練習した後、18:45発のバスに飛び乗って帰るのが日課だった、その最終バスの乗客は、いっこ上の陸上部の先輩のSさん、Kさん、そんで俺の3人だけ。Sさんは、生徒会長、なにもかもが輝いていた頃だ。 バスん中、毎日3人で話をしながら帰った。

どこでもそうだけど、野球部、陸上部は、優秀な奴が多く、そんでもって品行方正、一方俺らサッカ―部は周りからは不良の集まりと言われていたし、大体、試合一週間前にキャプテンから、そろっと、禁煙命令が出るようなところ、今考えたら信じられないような部だった。走ってる所にボールが流れたら危ないので、陸上部はトラック、俺らはいつも市民グランドへ追いやられていた。そんなんでSさんのいる陸上部とは、羨ましさ半分、やっかみ半分であんまり仲が良くなかったけど、帰りのバスではそんなことはおくびにも出さず、地元の先輩として楽しい時間を過ごした。 陸上部でも目立っていたSさんは女の子にももててたな。気さくで飾らない、かっこいい人だった。

俺が三年になる時、その先輩は慶応義塾大学に合格し、東京に行った。それから接点はなくなったが、卒業後に役者になったと聞いて吃驚したのを覚えている。NHKのドラマにもよく出てたな。映画もつくったし、最近は、大分で若手俳優の育成組織を作って頑張っていたし、いつうちの店に来てくれるん、と言った記憶が消えないうちに今日の訃報。もうなんだかよくわからない。。塩屋俊さん、安らかに眠ってください。
合掌。